茶色

茶色~救えなかった茶色い犬の歌~



 

『茶色』

あの茶色の子を私は忘れないだろう
冷たい床の上 丸まって震えていた

終わりは見えている
壁が迫り追いやられ
落ちた  その先には
窒息と焼却が…

怯えているのに
やさしい目をしている
あきらめているの?
託してくれてるの?

目の前にある命
たった一つも救えない
これが現実なんだ
あまりにも悲しすぎる


「捨てないで…
 行かないで…
 使い捨てのおもちゃじゃないよ
 黄色い首輪つけた日を
 どうか…思い出して」


迎えが来るのを
きっと待っていたよね
あの茶色の子を私は忘れないだろう

 

 

***


ワンワンライブを始める時に知ったこと。

虐待や放置、ただ繁殖させられる為だけに飼われている犬達のこと。

捨てられ、ガス室に送られる犬達、動物実験で殺される犬達のこと。

その事実を伝えることで犬たちを救いたい。

ワンワンライブを始めた大きな一つの目的でした。

けれど現実は… 私には目の前の命を救うことができませんでした。

 

 

第一回目のワンワンライブの3日前です。

犬の現状を伝えるなら、自分の目で見なければ…

そう思って、動物管理センターを訪れました。

 

そこには、茶色い犬がたった一匹で、寒そうに丸まっていました。

一匹しかいない理由は、年々保護される犬が減ってきていることと、

午前中に処分が行われたからと言うことでした。

 

この子は、明らかに飼い犬でした。

黄色い首輪をして、とても人になれている様子でした。

助けたい!私が助けなければ殺されてしまう!

ライブの準備に追われる中、一時預かってくれる場所や里親を探しました。

でも、どうしても見つからず、 ライブの前日、その動物管理センターに電話をしました。

 

助けたい。

でも助けられない。

たった一つの命を救う事さえ出来ない私に、犬の為のライブなんて出来ない。

電話口で泣きました。

対応して下さった職員の方は、言ってくれました。

 

一つの命を救う事もとても大切です。  

でも捨てる人がいなくならなければ  

現状は変わらないんです。  

あなたは歌で伝えて下さい。

宜しくお願いします。

 

私は伝えよう。

この張り裂けそうな痛みを忘れない。

いのちの大切さを伝え続けようと決心した瞬間でした。